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岡山県岡山市北区中山下2丁目2-74

  • 診療内容
  • 血便外来

血便外来

血便外来とは

血便と聞くと、“お尻から血が出ている状態”を考える方が多いと思いますが、真っ赤な血が出る状態から、肉眼的な出血はなく検便にて指摘される「便潜血」まで、便に血が混じっている状態全てを指します。
患者さんの症状で多いのは以下のような訴えです。
・排便後にお尻を拭いたら紙に血が付いた、便器が赤くなった。
・排便時にシャーっと血が便器に飛び散った。
・便の表面に血がすじの様についていた。
・下着に血がついていた。
・いちごジャムの様な赤いねばねばした便が出た。
・赤黒い便が出た。

血便外来血便外来

血便の種類

血便は色や性状により様々な種類があります。
  • 鮮血便:
    真っ赤な出血で、お尻から近い場所(肛門・直腸)から出血した場合に起こります。
  • 暗赤色便:
    腸の途中で便に血が混じりこんでいる状態です。大腸の奥の方からの出血に特徴的です。
  • 粘血便:
    ベタベタとした粘液に、血液が混ざった状態の血便です。大腸の感染症や炎症性腸疾患にみられることが多いです。
  • 黒色便:
    便全体が黒っぽい色をしている便です。主に胃・十二指腸潰瘍・小腸からの出血で見られます。血液中の鉄分が胃酸などで酸化され便が黒色になります。(鉄剤の内服中でも見られます。)
  • 潜血便:
    肉眼的な出血がなくても便潜血検査(検便)で便中に血液が検出される状態です。実際に大腸カメラを行うと、3%弱の方に大腸がんが見つかっています。

血便の原因

排便後に紙に付く程度の少量の血便であっても、正常な状態で血便が出ることはなく、何らかの病気が潜んでいる可能性があります。

血便の種類とその主な原因疾患(代表的なもので他の疾患の可能性もあります。)

血便の種類 原因となる臓器 考えられる代表的な疾患
鮮血便 肛門 痔核・裂肛
直腸 直腸がん、直腸ポリープ、直腸炎
暗赤色便 大腸 大腸憩室、大腸がん
大腸炎(感染性・薬剤性・虚血性など)
小腸 メッケル憩室・小腸潰瘍
黒色便 胃・十二指腸 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がん
小腸 小腸潰瘍・小腸腫瘍
粘血便 大腸 炎症性腸疾患・感染(アメーバ性など)

血便を放置するリスクについて

一番注意しなければいけないのが「がん」を見逃す可能性があることです。「痔からの出血だろう」と自己判断し放置していたら、実は大腸がんが原因だったというケースも多くあります。
大腸がんが進行すると、血便などの便通異常が現れます。こうした異常なサインを放っておかず、きちんと適切な検査を受けるようにしてください。

血便の診療・検査

最初に血便の状態を正確に把握することが大切なので、まずはしっかりと問診を行い、診断に必要な検査を行います。

1問診
血便の性状や発症時の様子から原因部位を推測することが出来るため、問診が非常に重要です。当院ではWEB問診を採用しており、診察室に入る前から血便の症状について細かく聞き取ることができるようにしております。(WEB問診についてはこちら
診察室においても
・血便の状態(性状、タイミング、量)
・腹痛の有無
・慢性なのか?急性なのか?
などをご確認します。
2直腸指診
続いて痔や直腸の状態を確認するため直腸指診を行います。診察室で簡単に受けることができます。診察台に横になっていただき、指に麻酔ゼリーをつけ肛門から入れ、痔が腫れていないか・癌の有無などを触診で確認します。患者さんの状態に応じてゆっくり丁寧に行うことを心掛けています。
3肛門鏡検査
直腸指診の後、その場で肛門鏡という器具を用いて直腸の出口付近の状態を直視下に確認します。痔がある場合はその病状の評価もします。
患者さんの反応を見ながら診察させていただいており、痛みが強い場合は無理をしません。
また、当院で使う肛門鏡は二枚貝型という、患者さんの状態に合わせて大きさを自由に調節できる特殊なものを使用しており、一般の病院で使う太さの固定された筒形の肛門鏡に比べると格段に痛みが少ない診察が可能です。

この肛門の診察がすぐ可能で、なおかつ「痔などの病状の診断・治療」について、その場でご説明できることが、大腸肛門科専門クリニックである当院の強みです。

一般的な内科では肛門鏡による診察ができない場合が多く、痔があった場合も治療については詳しくご説明できないことがほとんどです。

4その他の検査
状態を見て、必要な場合は下記検査を行います。
●血液検査
血便による貧血がないか、また、腸炎などが疑われる場合は炎症の程度を血液検査によって確認します。初期治療の緊急性を見極めたり、炎症の経過を追っていく際にも重要になります。
●腹部超音波検査(エコー検査)
身体の外から大腸など腸管の腫れなどの状態が、ある程度わかります。炎症や虚血による下血の場合は特に有効です。
●大腸内視鏡検査
診察でわからない直腸の奥の部分や、大腸の病気が疑われた場合に行います。大腸の粘膜を直接見ることが出来るので、状態をしっかりと把握できます。小さな初期の大腸がんも発見でき、大腸ポリープが見つかった場合はその場でとることもできます。一度受けておくと安心な検査です。
当院では麻酔を使用するなど痛みの少ない大腸内視鏡検査を目指して行っています。(大腸内視鏡検査についてはこちらをご参照ください。)
●胃内視鏡検査
黒色便などがあり、胃や十二指腸からの出血が疑われた際に行います。当院では現時点では胃内視鏡検査については川崎医科大学総合医療センター等の連携病院にてお願いしています。(当院から直接検査の予約が可能です。)

今、血便で悩んでいる方へ

自己判断や放置は禁物!まずは受診を

血便がみられる病気はいくつもありますが「痔だと思い込んでいて検査したらがんだった」などというケースもあり、自己判断はとても危険です。放置していると重大な病気が潜んでいた場合、取り返しのつかないことになりかねません。気になる症状が出ている方は早目の受診をお勧めします。


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